目次
第1章 子どもの運動分析
第2章 「歩く」運動
第3章 「走る」運動
第4章 「跳ぶ」運動
第5章 発達過程の基本運動
第6章 日常動作で体つくり
私たちは長年「子どもの運動発達」について、「歩く」だけでなく、走る・跳ぶ・泳ぐなどの「基本運動の発達過程」を縦断的に筋肉の働きから分析し、運動学習や体力づくりの指針となる基礎データを集積してきました。基本的な動作「歩く」「走る」「跳ぶ」は、子どもの体をつくる重要な運動であることがわかってきました。
本書は世界で数少ない「子どもの運動発達」の筋電図データを関係各位に幅広く役立てていただけるよう、研究で明らかになった解析結果を、子どもの成長・発達に不可欠な「体つくりの基本運動」としてまとめました。
■ 基本的な動作「歩く」「走る」「跳ぶ」運動で体つくり
■ 発達過程の基本動作「這う」「座る」「立つ」運動で体つくり
■ 日常動作「子どもの正しい姿勢と歩き方」「階段・坂」で体つくり
運動は体だけでなく心と脳を育てます。子どもは外遊びで思いきり走り、跳びまわることで、基本的な運動がすべてなされ、五感と運動神経を十分に使い、たくましく情緒豊かに、体・心・脳が育っていくのです。時代は変わっても、子どもは全身の筋肉を使って精一杯からだを動かし、しっかりした基盤を作らなくてはなりません。十分な運動が確保できない環境で、子どもが元気に体を動かし、たくましく生きてゆける将来に望みを託して「歩く」「走る」「跳ぶ」運動による「子どものための体つくり」の本を書きました。
次世代を担う子ども達が、体を動かす楽しさをより多く体験し、未来に向かって、強くたくましく元気に育ってくれることを心より願っています。
岡本 勉(関西医科大学名誉教授・医学博士)