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「健康ウォーキング法」和泉市医師会40周年記念誌 2005年10月

「健康ウォーキング法」

岡本 勉(関西医科大学名誉教授)
岡本香代子(歩行開発研究所)

新聞記事

直立二足歩行はヒトの最も基本的な移動手段です。1歳前後でよちよち歩きの独立歩行を開始し、2年間の反復練習を経て、3歳ころ合理的な筋活動を示す成人型歩行(体直立姿勢でかかと着地の歩行)を獲得し始めます。その後、自立歩行ができなくなるまでヒトは歩き続けます。しかし、この幼児期に獲得した成人型歩行も、加齢や運動不足等による筋力・バランス機能の低下により、高齢者だけでなく成人においても、歩行運動が不安定になり過剰な筋活動を示す乳・幼児型歩行(中腰・体前傾姿勢で小股すり足的な歩行)にまで退行します。

運動不足による生活習慣病や老化の加速が問題となっている現在の日本では、歩行が健康づくりの最適な運動としてみられるようになってきました。ちょっと出かけたりする時の歩行も、歩き方次第で老化予防や健康増進のための運動となります。日常生活において、歩行を移動の手段だけでなく、運動として行うには筋肉に負荷のかかる歩き方が良いのです。経験的には「大股速足で背すじを伸ばして颯爽と歩く」と運動になるといわれていますが、具体的にどのように歩けば、どの筋を強化しているのか、歩行速度や姿勢の変化による歩行中の筋肉の働き(筋電図)から調べてみました。歩き方が変われば歩行中に使われる筋肉が異なってきます。日常歩行を移動手段として考えて無意識に最小必要限の筋活動だけで歩いている人と、積極的な筋活動を行う歩行法で歩いている人とでは、日常における運動量は随分異なってきます(健康ウォーキングの筋電図:参照)。

歩行を健康づくりの運動(エクササイズ:Exercise)とするには、1)歩行距離を延ばす・2)歩行速度を上げる・3)歩行姿勢を変化させること等があげられます。1)歩行距離については速度を上げなくても距離を延ばし長時間歩けば、筋持久力がつき運動となります。いつも歩いている距離より、少し長く歩くだけで運動となります。2)歩行速度の変化による身体への影響は生理学的に研究され、歩行が健康増進運動となることは実証されています。私たちの研究からも、少し大股速足で歩くと、日常歩行に比べ脚筋や背筋・腹筋が積極的に働き運動になることがわかります。運動不足の人や、筋力の衰えを感じてきた人は、いつもより少し速く少し大股で歩くといいでしょう。3)歩行姿勢については、私たちの研究から、歩行速度を上げなくても、背すじを伸ばすだけで、背筋や・腹筋だけでなく脚筋が日常歩行に比べて積極的に働くことがわかってきました。運動する時間のあまりとれない人でも、日常の歩行姿勢を少し意識して変えるだけで、運動効果の高いウォーキングとなります。

この運動効果の高い新歩行法(ニューエクササイズウォーキング:図参照)を紹介しましょう。歩行姿勢の変化で意識することは次の3点です。1)背すじを伸ばす・2)1直線上を歩くようにかかと着地・3)後足で地面を強く押し出すことです。この3点を意識したニューエクササイズウォーキングは、歩行速度を上げなくても、階段のぼりやジョギングと同じくらい姿勢筋と歩行筋が積極的に働きます。また、転倒やつまずきの原因となる歩行の変化(猫背歩行・すり足歩行・足腰屈曲歩行等)を防ぎ、自立歩行に必要な筋力の強化にも役立ちます。歩行を若さと健康を保つ運動に変化させるために、背すじを伸ばし、後足で地面を強く押し出し、元気よく歩くことです。日ごろから少し意識して姿勢を正し、歩くために必要な筋力とバランス機能の衰えを防ぐ歩行法と運動を行えば、何歳になっても外見上の若さと健康を保ちながら歩き続けることができるのです。

安全な自立歩行で、健康長寿を目指し、できることから始めましょう。 "無理なく・無駄なく・油断なく"そして、"あせらず・あきらめず"楽しく歩いてください。

若さと健康をいつまでも!

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