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産経新聞 2004年4月14日(水)
新聞記事

正しい歩き方で健康長寿を
関西医科大・岡本名誉教授が提言

「乳幼児型歩行」は黄信号

「脚からくる」と言われる老化。関西医科大名誉教授の岡本勉さん(68)は、その"歩行老化"の過程を、加齢による歩行筋電図の変化から分析。長女で京大非常勤講師の香代子さん(37)との共同研究で、発達と退行という視点から、高齢者の独立歩行の維持を追究し、『ニューエクササイズウォーキング』(歩行開発研究所)を共著で出版した。転倒、寝たきりを防ぎ、健康長寿を目指すために中高年が意識すべき歩行老化のサインと、予防のポイントを聞いた。(服部素子)

 岡本さんの筋電図研究は、昭和四十三年から始まる。これまでに乳児、幼小児、成人、高齢者らのべ千人以上の歩行筋電図をとり、歩行の加齢的変遷を分析してきた。

 岡本さんらが注目したのは、乳児型歩行と老人型歩行との筋電図の類似。成人型歩行に比べて、ふくらはぎの腓腹(ひふく)筋や、太もも前の内側広筋、太も も後ろの大腿二頭筋、お尻の大殿筋などの振れが大きく、筋肉が過緊張状態になり、負荷が強くかかっていることが読み取れた=図。

 このことから、歩行の発達が乳児型歩行期→幼児型歩行期→成人型歩行期の三段階を経過するように、歩行の退行も成人型歩行期→老人型歩行への移行期→老人型歩行期というプロセスをたどると推測。

 歩行動作に、背中が曲がり、あごが前に出る「猫背歩行」や、足の横幅を広げて二直線上を歩くような「二直線歩行」など乳幼児型のパターンが見え始めると、筋力・バランス機能が低下していることを筋電図的に明らかにした。

「外見は若いときと変わらなくても、筋電図は正直です」と香代子さん。

 歩行老化のサインは、(1)猫背歩行(2)膝曲がり歩行(3)二直線歩行(4)小股スロー歩行(5)すり足歩行(6)屈曲大歩行(7)不安定歩行の七つ。

 背筋や脚筋などが衰えてくると、猫背で膝が曲がり、背が縮こまり、胸が下がり、脊椎(せきつい)に負担がかかり、肺活量が減少し、内臓を圧迫する。  では、どうすれば歩行老化を予防できるのか。

 岡本さんらが提案するのは、老化にかかわる筋肉の強化にポイントをおいて考案したニューエクササイズウォーキング。

 基本は、おなか、お尻、膝を引き締め、背すじを伸ばし、胸を張り、肩を下げ、あごを軽く引いた姿勢。イメージとしては、あごを引き、頭を天井に押し上げる感じで立つ。この"立位の基本姿勢"で歩くだけで、腹筋、殿筋、大腿四頭筋、大腿二頭筋、内転筋、背筋、外腹斜筋、僧帽筋を使える。

 具体的には、すり足歩行になっている高齢者には足先をあげ、かかとから着地することを意識して歩くよう助言する。すり足の改善には、いすに腰かけ、かかとを床につけ片足ずつつま先をあげる運動が効果的。

 また、脳梗塞(こうそく)の後遺症などで歩行が困難な人も買い物カートでの支持歩行や、いすから立ち上がる無理のないトレーニングで、成人型歩行に戻ることができるという。

 自分の意思で行きたい所に移動できてこそ、理想的な長寿。そのためには「まず正しい姿勢で、安全な歩行を」と岡本さんは話している。

 『ニューエクササイズウォーキング』は二千円(税込み)。問い合わせは歩行開発研究所 TEL072・631・1788。

【加齢による歩行筋電図の変化】

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